ビジョンなくして経営なし

経営ビジョンとは、企業が求める将来像を描き、明示したものである。それは、経営者の頭の中にとどめず、明文化され、全社員に理解されるものでなければならない。ビジョンは企業経営におけるガイドラインであり、全社員が具体的な将来像を共有化することにより、はじめて一丸体制が可能となり、社内も活性化する。特に最近、社員から「我が社の将来が不安」「我が社にはビジョン、夢がない」などの声を聞くことが多くなってきた。つまり、会社にビジョンがない状態は、企業がどこに向かっていっているのか分からないということを意味しており、あてもなく漂っている難破船状態を指している。ビジョンという行き先を定める。全社員でめざすべき将来像に向かってベクトル合わせをすることで一体感が高まり、社長の求心力も高まる。

理想と現実

理想とは果たして非現実か?私は、これまで常にあるべき姿を描き、そこに現実を近づけていくことが課題解決と信じてきた。ところが最近、若年層に、あるべき姿は単なる理想論であり、それよりも目先の事実をどう考えて行動していくかが重要という現実論が台頭してきているように思える。確かに物事をより現実的に捉えようとすることは大事だ。しかしながらこれでは、出来ないことは理想論であり、出来ることだけやっていればいいという現実逃避になりがちだ。恐らく経済界や政界をはじめ世の中が理想やあるべき姿を提示出来ていないことも理由のひとつと思われる。先行きの見えない時代、だからこそあるべき姿としての理想を掲げ、そこに向けて果敢に挑戦していくことに価値があるのではないだろうか。

コストの動きから目を離すな

ポスト2020、大変厳しい時代になってきた。このような時は、売上拡大も大切であるが、日々、変化する足元のコストの実態把握が何より欠かせない。例えば、材料費。直近の原材料や部品・副資材等の価格をもう一度おさえ直してみよう。徹底して合い見積もりを行い、場合によっては購入先や購入ロット、輸送手段等の見直しも検討してみる必要があろう。続いては、人件費。人件費そのものの見直しは当然のことであるが、本来、追求すべき本質は、人的生産性にある。そのためにはまず、部門別、商品別、得意先など細かく採算をおさえ、自社の利益の源泉をつかむ必要がある。何で儲かっているのか、誰が足を引っ張っているのか、今後どこと付き合っていくべきなのか、数値でしっかりとおさえる必要がある。感覚と実態は時として大きく食い違うものである。コストは生き物。適時的確な営業政策や経営判断に活かしていくためにも常にコストの動きから目を離してはいけない。

何気ない行動がその人の人生を決める

何気ない一つ一つの行動がその人の人生を決める。よく成功者が取り上げられる時、その人にとって成功とは一瞬の出来事のように感じられるが、実際のところ、成功は不連続な成果の集まりであり、それらの成果は一つ一つの行動の積み重ねによってなされる。細事を大事にしたい。日常の規律や礼儀、きめ細かな配慮ある仕事、それらのひとつひとつが積み重なってその人の力となり、周りからの信頼となる。年配者に対する敬意、感謝の気持ち、礼儀作法、整理整頓、日々の報連相、言葉づかい、それらは人によって異なり、また、結果・成果も変わる、そして人生が変わる。最近、各企業においてもこれらの行動が伴っていない社員をよく見かける。誰も注意しない。それはやがて風土となり、企業体質を蝕んでいく。原点回帰、まずは自身の細事の見直しから始めよう。

勝ち残り企業は打つ手が早い

ポスト2020、多くの企業が先が見えないでいる。このような時代においては、手を打つことなく景気回復を祈る「閉じこもり企業」と先行きを早々と判断して手を打つ「先手先行企業」との違いがあからさまに出る。あるメーカーは、毎年安定した業績を確保しているにもかかわらず、今後、市況が1~2割ほど低下することを見越して主力以外の製品やメンテナンス事業などの受注拡大に向けて、いち早く組織営業の仕組みと体制を築き上げた。一方、ある食品卸では、相変わらずの地域に相変わらずの人数で攻め続け、年々市場が縮小する中、生産性(一人当たり売上)を落とし続けている。商品に差別化要素がないのであれば、決め手はスピードだ。どこよりも早く市況や商品の情報をつかみ、得意先に提供・提案し、いち早く納めることが今やるべきこと。仕入先開拓を強化しよう、そういって早くも1年が経つ。やることなすことが遅い、全て後手に回っている。スピードは投資のかからない最大の差別化要素である。すべてのスピードを倍にする努力をしよう!不況と嘆く前に、まだまだやるべきことはたくさんある

真なるリーダーに求められる論理性と表現力

論理性とは、“自分はこう思う”という判断に対し、“なぜならば”という論拠が明快であり、そのような話には説得力がある。また、この論理性を磨くにあたっては、これら論拠の他、「いかなる意図かという目的意識、なぜそうなっているのかという問題意識、どうすれば打開できるかという改善意識」をもって物事を考察すること、数値で実態を掴むことなどが重要である。数値を伴わなければ曖昧な回答になってしまい、客観性を見失い、あなたの勝手な思いとなってしまうだろう。残念ながら、相変わらず日本の政治・経済界は混沌とした状況を続けている。一刻でも早い”真なるリーダー”の出現を望みたい。今回は、これからのリーダーに欠かせない能力について話をしてみたい。さしあたり特に2点あげるとすると、私は論理性と表現力を選ぶだろう。一方、表現力とは、いかに分かりやすく、インパクトをもって相手に訴えることが出来るかである。結論から話す、言いたいことは3点あると言ってから話す、図やグラフを多用する、強弱をつける、間を空けるなどである。論理性は相手の理性に、そして表現力は感性に訴える。政治、経済界に関わらず、企業リーダーたる経営者においても心しておきたいテーマである。

やはり、企業は人なり

 今更ながらこの言葉の重みを感じる。企業の三要素は、ヒト・モノ・カネ。確かに資金(カネ)も商品・事業(モノ)も必要だが、それらを創っていく人がいなければ何にもならない。売上高30億までは、社長1人の力で何とかできる。しかしながらその域を超えてくると、事業部、そして子会社の存在が必要になってくる。そうなれば1人の社長では明らかに無理である。私は、多くの企業で人を育ててこなかったことを悔やむ経営者を見てきた。企業が成長しているときには、事業にばかりに目が行き、意外と気がつかないものである。例え重要と気づいていても緊急な課題とまでは認識していなかったケースが多い。そしてそれは今、最も重要かつ緊急的な課題となった。ぜひとも今一度、中期や年度における人材育成計画を見直していただきたい。場当たり的な計画になっていないだろうか? 自社の戦略ときちんと整合しているだろうか? OJTを言い訳に手を抜いていないだろうか? 会社の成長の方向性を見ていくにあたり、戦略実現のために誰のどんな能力をどこまで引き上げていけばいいのか、無理であれば採用戦略はどうするのか? より具体的なプランが今こそ必要だ。