性格

会社は、とかく理想的な性格特性を示し、それを基準に人を判断しよう、また人を理想に近づけようとしがちだ。ところで理想的な人材とは何?思考力があり、常に前向きで仕事が早く正確でリーダーシップもある。なるほど、しかしながらそのような人が組織に何人いるだろうか。仮に数人いたとしてもそれで会社がうまく動くだろうか。私はそうは思わない。これからは全員活躍の時代。そのためには、一人として同じ人間はいない、性格も違っていい、性格の違いは個性だ。野球で4番打者を集めてきても優勝できるとは限らない。9人それぞれで役割が違うからだ。これらかは一人一人の性格を知り、それに合った部署と役割を与える、そのような個性を生かす経営が益々重要になってくる。数少ない人のリーダーシップ以上に全員の個性を生かしチームワークで仕事をすることの方がより価値がある。次代はそのような組織が成長できるのではないか。

人づくり

あるビル建築の現場を見ていて感じた。何か人づくりに似ているなと。まず、建築する(育てる)にあたっては、基礎工事、続いて仮設で固められながら(見守られながら)ビルが伸びて(人が育って)いく。出来上がると(成長すると)仮設資材を取り去り、一人で立つ。ものづくりの世界ではこんなに懇切丁寧にものづくりが行われているのに最近の人づくりが余りに淡白に感じるのは何故だろう。

労質

ここでの労質とは、労働者の量と質からくる私の造語である。今、世の中は労働力不足真っ只中。そこで各社共、採用に躍起になっているようだが、恐らくこれも2020年がピークになるだろう。いよいよポストオリンピック、中国発の大不況がやって来る。米国の一見根強そうな景況も一変する。その時に皆気づくだろう。社員は数でなく、質だと。大事なのは思考の生産性である。それが高い人は低い人の数倍のタスクをこなす。確かに誰しも24時間という持ち時間は平等だ。しかし今やITやAIの時代。ツールはふんだんにある。重要なのはそれを使いこなすことができる人、労質の高い人がいるかどうかである。出来ない人が数人よっても叶わない。企業経営における費用(人件費)対効果は明らかである。これからはしっかりと人を見極める時代、少数精鋭の時代である。

飴と鞭

厳しいだけではなく、教育には飴と鞭が必要である?

これは、甘やかす面と厳しくする面を併用するたとえであるが、果たして今の時代に鞭は併用するほど有効と言えるだろうか?大事に育てられた少子化世代は、たった一度の鞭でさえ受け止め難く、すぐに萎えてしまいがちだ。言うまでもないが、人を活かす前に人が集まり定着しなければ仕事や事業そのものが成り立たない。それであれば飴の量と質感、与え方でマネジメントしてはどうだろうか。当然ながら褒められ、ご褒美がある方がモチベーションが高くなり、組織も活性化するはずだ。もちろん、過度に甘やかされると言う意見も承知の上だが、気持ちよく仕事が出来れば、留意すべき点やこちら側の意図もきちんと理解してくれるもの。鞭を使っても表面的や一時的には従うが、厳しく注意された事だけが印象に残り、決して意図すべき本質は伝わらないのではないか。

環境

企業の業績は人次第、人材の量と質で決まる。そして人の多くが環境によって決まる。例えば、社外の研修等でいくら多くの気づきを受けたとしても受け入れる会社の風土や体制によって活き方が大きく変わる。例えば夢を持って入社した新入社員がいつのまにか悪しき慣習に染まっていくように。樹木のごとく土壌、環境づくりがきわめて重要なのである。故に企業は自らのビジョンを示し、社員にはキャリアパスを明確にさせ、そのために本人がどのような努力をするのか、会社がどのように支援できるのかを明確にしなければならない。社員全員がそれらを日々意識し行動する、その習慣こそが体質化して好ましい環境が出来る。人が活きる環境づくりこそが経営者の最重要課題である。