属人経営から組織経営へ転換

先代社長からバトンタッチを受けた若手後継者。思ったように人心掌握が行かず、業績や風土、共に今ひとつ。T社もその中の1社。そもそも創業者やカリスマ性のある社長は、会社の全てを掌握しているものであり、後継者にそれを求めても無理。しかし一方、後継者の方が創業者よりも高学歴で物事を文章に表現する能力に優れているケースが多い。ならば強みを活かせばよい。我が社を将来どんな会社にしたいか(ビジョン)、そのためにはどんな手を打つべきか(戦略)、さらに誰がどのようにしていつまでにやるのか(計画)、そしてそれらを滞りなく進むためにどんなルールが必要か(マネジメント)。これらをオープンにし、全社員が英知結集して事に挑む、これが2世経営者のあり方ではないだろうか。万能な創業者による属人経営よりも、見える化された仕組みの中で、より多くの目で確かめながら着実に進む組織経営。このような経営スタイルが次代を拓くのかもしれない。弱みを強みに、逆境を順境に転換しよう。

飴と鞭

厳しいだけではなく、教育には飴と鞭が必要である?

これは、甘やかす面と厳しくする面を併用するたとえであるが、果たして今の時代に鞭は併用するほど有効と言えるだろうか?大事に育てられた少子化世代は、たった一度の鞭でさえ受け止め難く、すぐに萎えてしまいがちだ。言うまでもないが、人を活かす前に人が集まり定着しなければ仕事や事業そのものが成り立たない。それであれば飴の量と質感、与え方でマネジメントしてはどうだろうか。当然ながら褒められ、ご褒美がある方がモチベーションが高くなり、組織も活性化するはずだ。もちろん、過度に甘やかされると言う意見も承知の上だが、気持ちよく仕事が出来れば、留意すべき点やこちら側の意図もきちんと理解してくれるもの。鞭を使っても表面的や一時的には従うが、厳しく注意された事だけが印象に残り、決して意図すべき本質は伝わらないのではないか。

環境

企業の業績は人次第、人材の量と質で決まる。そして人の多くが環境によって決まる。例えば、社外の研修等でいくら多くの気づきを受けたとしても受け入れる会社の風土や体制によって活き方が大きく変わる。例えば夢を持って入社した新入社員がいつのまにか悪しき慣習に染まっていくように。樹木のごとく土壌、環境づくりがきわめて重要なのである。故に企業は自らのビジョンを示し、社員にはキャリアパスを明確にさせ、そのために本人がどのような努力をするのか、会社がどのように支援できるのかを明確にしなければならない。社員全員がそれらを日々意識し行動する、その習慣こそが体質化して好ましい環境が出来る。人が活きる環境づくりこそが経営者の最重要課題である。