属人経営から組織経営へ転換

先代社長からバトンタッチを受けた若手後継者。思ったように人心掌握が行かず、業績や風土、共に今ひとつ。T社もその中の1社。そもそも創業者やカリスマ性のある社長は、会社の全てを掌握しているものであり、後継者にそれを求めても無理。しかし一方、後継者の方が創業者よりも高学歴で物事を文章に表現する能力に優れているケースが多い。ならば強みを活かせばよい。我が社を将来どんな会社にしたいか(ビジョン)、そのためにはどんな手を打つべきか(戦略)、さらに誰がどのようにしていつまでにやるのか(計画)、そしてそれらを滞りなく進むためにどんなルールが必要か(マネジメント)。これらをオープンにし、全社員が英知結集して事に挑む、これが2世経営者のあり方ではないだろうか。万能な創業者による属人経営よりも、見える化された仕組みの中で、より多くの目で確かめながら着実に進む組織経営。このような経営スタイルが次代を拓くのかもしれない。弱みを強みに、逆境を順境に転換しよう。

企業の盛衰を決する事業承継

最近、事業承継に関するご相談が非常に多くなってきています。社長が65歳、後継者が40歳というのが平均的なところでしょうか。しかしながら最近は後継者が30歳代というケースも増えてきています。先手先行での事業承継の準備ということでしょう。大事なのは、事業承継とは単なる役職の変更手続きではない、また相続税対策だけはないということです。第2創業期に向けた新たな方向性、所謂、次代経営ビジョン・戦略を示し、それをどのような組織体制のもとで行っていくのか(中期経営計画)を示す必要があります。運用も含めて最低でも3年は必要でしょう。この3年間は、少なくとも社長・後継者(もしくは会長・新社長)の二人三脚体制でしっかりと運用を見極めていかねばなりません。このバトンタッチで走者が入れ替わる(成長・衰退)ということもよくある話です。

事業承継

最近、若い世代の社長、並びに後継者の台頭が目立つ。そこで気づかされることは、優良企業ほど事業承継の時期が比較的に早く、用意も周到であるということだ。まさに事業承継に関しても先手先行経営が重要であることを実感させられる。

ところで仕事柄、後継者と創業者の違いを問われることが多い。あくまで一般論であることをお断りした上でお話させていただくとすれば、創業者は人志向で”企業は人なり”の実践型である。常に率先垂範であり、愛情込めた叱咤激励が行き交い、気配り・心配り等、時に人心掌握への執着心さえ感じる。これに対して後継者は物志向で人間関係の煩わしさなのかシステムだけで人を動かしがちである。協調的、冷静沈着ながら自分に優しく、他人に厳しい傾向も甘さの一部として併せ持っている。さらに金志向でもある。引き継いだモノを守らねば、とか失敗しないようにという思いから”使うべき時期”の判断を誤り、大胆さや決断力に欠けることも多い。一方、創業者は「『駄目であればまた一から、つまり裸一貫から出直せばよい」と腰が据わり決断に迷いがない。

時代は大きく変わってきている。引き継いだ後継者も創業者と大きく異なる環境のもとで必死に事業を適応化しているという点では(第二)創業者そのものだ。こだわりも必要だが、割り切りも時には重要だ。後継者の創業者魂に期待したい。