真のリーダーが行う部下指導

最近、部下指導(育成)が下手な上司、躾がなっていない部下、さらには両者の世代、並びにコミュニケーションギャップにより不活性状態に陥った会社・職場をよく見受ける。主因は“上司”。プレイヤーとしては一流でもマネージャーとしては三流の上司。例えば個人業績など結果だけで評価し、ろくに教えてもいないのである。理由を聞くと『時間がない』、『教えてもできない』、『最近の若者は・・・』等とすぐにグチに走る。教える気がないのか、教え方が下手なのか。“意外と教え方が分からない”というのが実情のようである。上司たる者、成果につながる”とるべき行動”を具体的に示すことが出来なければ失格ではないか。結果(業績)を責めるのではなく、そこに至ったプロセス(過程)の何処が悪かったのか、どうすればより高い確率で物事がうまく進むのか。精神論も確かに必要だが、それだけでは人、特に今の若者はついてこない。納得するだけの根拠、具体策を示してこそ真のリーダーと言えるのではないだろうか。

やはり、企業は人なり

 今更ながらこの言葉の重みを感じる。企業の三要素は、ヒト・モノ・カネ。確かに資金(カネ)も商品・事業(モノ)も必要だが、それらを創っていく人がいなければ何にもならない。売上高30億までは、社長1人の力で何とかできる。しかしながらその域を超えてくると、事業部、そして子会社の存在が必要になってくる。そうなれば1人の社長では明らかに無理である。私は、多くの企業で人を育ててこなかったことを悔やむ経営者を見てきた。企業が成長しているときには、事業にばかりに目が行き、意外と気がつかないものである。例え重要と気づいていても緊急な課題とまでは認識していなかったケースが多い。そしてそれは今、最も重要かつ緊急的な課題となった。ぜひとも今一度、中期や年度における人材育成計画を見直していただきたい。場当たり的な計画になっていないだろうか? 自社の戦略ときちんと整合しているだろうか? OJTを言い訳に手を抜いていないだろうか? 会社の成長の方向性を見ていくにあたり、戦略実現のために誰のどんな能力をどこまで引き上げていけばいいのか、無理であれば採用戦略はどうするのか? より具体的なプランが今こそ必要だ。

知識と経験

人の成長は、知識と経験がベースにあると思う。時に経験の方が重要視されることがあるが、知識の伴わない経験は非効率で無駄な面が多々ある。人に教える際も経験中心だと主観が強すぎて効果的な指導や継承につながりづらい。何歳になっても学び続ける姿勢を持ち、意義のある経験を積み重ねて行きたいものだ。

長所主義

最近、部下指導のあり方が変わってきたように思える。各社共、超労働者不足により、採用基準は下がり、定着を気にするあまり、叱れない上司が増えてきた。辞めさせるなという使命を受けての結果だ。確かに今の若手は理解も早い、従順でもある。しかし、その一方で躾が行き届かず、挫折経験もない芯のない社員が増えてきている。ある方が私に言った。「会社全体が若手社員に対して甘くなってきており、規律が緩んでいる」、「貴方の長所主義は分かるけど、短所に目を向けなくていいのですか」と。私の言う長所主義は、決して短所に目をつぶるのではない。長所を引き合いに出し、「これだけの長所があるのにもったいない、この短所が惜しい、短所は苦手な部分だけに100点は無理と思う。でも、及第点はとろうじゃないか。そのためにも、これとこれくらいは気を付けようね。これからも期待しているよ」短所はそこそこで十分、長所をさらに伸ばせ、そこに期待するし、応援もする。これが私の長所主義。

採用

「あなたの強みは何ですか?」、企業はその人の強みをもって採用する。しかしながらその後は、「君の課題は○○だ」と弱みばかりに着目していることがあまりに多い。これからの世代を育てるには、強みを活かせる適正配置、そして「君の強みは○○、それを活かすためにも課題の○○を共に解決しよう」といった目線での対応が欠かせない。とりあえず、マイナス部分には目を伏せて、良い点を10個あげてみよう。きっと育てがいを感じ、育成の方向が見いだせるのではないだろうか?